前回ブックメーカーとはスポーツベットをはじめとした、様々な賭け事を主催している胴元のことと説明しました。日本は賭博禁止国ですので、もしこのサイトを日本のサーバーで運営していたら刑法第186条より賭博開帳図利罪にあたります。しかし実際ブックメーカーを運営しているのはこれを許可している海外です。今回は賭博禁止国の日本在住者が、海外で合法的に認められているブックメーカーをオンラインで利用して違法に当たらないのかを考えてみたいと思います。
現段階ではオンラインギャンブルに対する法的規制はありませんが、法ができたのがインターネットができる以前のことでしたので、このように国内から海外のサービスをオンラインを通じて行えるということは予期していなかったと思われます。
ギャンブルですのでいくら海外のサーバーとは言え常識的に考えればアウトですが、個人一人一人の通信履歴を確認することは難しく、そもそも法による規制がないため検挙するのが困難です。
2013年衆議院の質問答弁にて、自宅でプレイするオンラインカジノでも違法なのではないかという質問がなされました。以下質問と回答です。
賭博罪及び富くじ罪に関する質問主意書の一部：国内の自宅からインターネットを通じて海外のカジノに参加する場合であっても刑法第185条の賭博罪に該当するという理解でよいか。
政府の回答：犯罪の成否については捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断するべき事柄であることから、政府としてお答えすることは差し控えるが、一般論としては賭博行為の一部が日本で行われた場合、刑法第185条の賭博罪が成立するものと考えられる。
要は政府でもはっきり分からないが、証拠次第では賭博罪は成立するという解釈でいいかと思います。ブックメーカーはオンラインカジノと本質は違いますが、分類的にはオンライン賭けサイトで一緒ですので、オンラインカジノに置き換えて考えてもさしさえないかと思います。
結論を言いますとグレーゾーンです。常識的にはダメだけど、法的にはハッキリとした規制が無いということです。個人的には個々が慎ましく利用しても、これと言ってお咎めがあるわけではなく大丈夫だと思いますが、あくまで自己責任で判断して下さい。少なくとも2021.5.22現在国内でブックメーカーを利用して逮捕された事例はありません。
