東京オリンピック2020の観戦

コロナ禍で1年延期された東京オリンピックは7月23日国立競技場で開会式を迎えました。競技数、参加国、選手数も過去最大の規模で、日程も17日間と長いです。現在新型コロナが東京を中心に拡大しており、緊急事態宣言中の開催ということもあり、ほとんどの競技で前代未聞の無観客での開催となります。経費は2940億円増の1兆3440億円と膨らみ、当初900億円と見積もっていたチケット収入は数十億程度と激減しました。日本に入国後に新型コロナ感染が確認される選手も何人も出てきており参加断念を余儀なくされています。安全優先を掲げながら選手達に最高のパフォーマンスを演じるようお膳立てする日本の責務は重いです。1896年の始まった近代五輪の中でも間違いなく歴史に残る大会になると思われます。

7月23日 開会式

開会式は23日PM8:00国立競技場で開かれました。各国選手団の入場です。入場曲にはドラクエやファイナルファンタジーをはじめとするゲームのBGMが流れていました。無観客ですが、イスの色をカラフルにしてごまかそうとする試みが見て取れました。

ヤフーの調査によりますと1964大会よりも規模は大分大きくなっており過去最大です。

演出が鮮やかです。

各国の旗手は男女ペアで、男女平等を一つのテーマにしていることが汲み取れました。

アメリカの入場シーンです。ちょっと密ですね。

日本選手団の入場です。日の丸をイメージしていますね。

バッハ会長と天皇陛下です。

ドローンを使った謎の球体が中空に現れ地球をかたどりました。

聖火台の点火はテニスの大坂なおみでした。マスクをしていなかったのが個人的には気になりました。日本人の思想とは異なると感じました。

いよいよ東京五輪2020の開催です。

7月24日 内村航平の鉄棒落下と瀬戸大也の予選敗退

この日は体操を観ていましたが、内村航平が鉄棒から落下するのを見て「え!」っという感じでした。これで終わりなのかと思ったら本当に予選敗退でした。まさかという感じであっけないもんですね。

リオデジャネイロ五輪銅メダルの瀬戸大也も自由形で以外に伸びず予選敗退です。勝てるはずでしたのに油断が招いたミスです。初日は波乱含みでした。日本勢初の金は柔道男子60キロ級の高藤直寿でした。

7月25日 阿部一二三と阿部詩が兄妹で金メダル

午前中は大橋悠依が女子400m個人メドレーで金を獲得しました。見ていましたが、実にいい笑顔でした。

今大会から始まったスケードボードでは堀米雄斗が金を獲得し初代王者になりました。この時間帯は丁度大坂なおみのテニスを観ていたので演技を見逃してしまいましたが、他の選手の滑りを観て真新しさを感じました。スケボーがオリンピックの正式種目になるとは思いませんでしたね。

そして驚いたのが阿部一二三と阿部詩が柔道で兄妹揃って金を取ったことです。実戦的な手堅い柔道だったと思います。他にテニスの大坂なおみと錦織圭、サッカー男子、ソフトボール女子と勝っていて日本人の活躍が目立つ一日だったと思います。

7月26日 西矢椛が13歳で金メダル

昼頃スケードボード女子を観ていましたが、選手はほとんど皆若く、新競技はこうなるんだなっと思いました。

金から順に西矢椛(13歳)、ライッサ・レアウ(13歳)、中山楓奈(16歳)と表彰式に上がった3人の年齢の合計は42歳と驚きました。

マスクを取ると幼さとあどけなさが伺えます。かわいいですね。それにしてもこの年で金を取ってこれからどうなるのでしょうか。驕る感じではないので安心です。そう言えば今日買い物行くと途中にスケボーやっている女の子を見かけました。これからスケードボードは若い世代で流行りそうですね。

夜は男子団体が銀を獲得しました。優勝のROC(ロシアオリンピック委員会)とは僅か0.103で内容が良かっただけに惜しかったです。

しかし全員初めての舞台での銀は見事の一言につきます。

7月27日 ソフトボールアメリカを下し連覇

この日は日本対セルビアの女子バレーを見ていましたが。いい内容の試合だったと思いますが、結果は0-3のストレート負けでした。身長差があり過ぎた感じです。スポーツは身長差がものをいいますが、バレーは特にそれが大きいと感じました。卓球女子は石川佳純が4回戦を勝ってベスト8入りしていました。

体操女子団体決勝は僅差で5位でした。これは見れなかったのですが、予選でいい演技をしていたので4人共頑張ったなという印象です。

そして今日の一番は女子ソフトボールの優勝です。日本はアメリカを2-0で下しましたが、お互い守備のファインプレイが目立ちました。解説の元ヤクルトの捕手古田も絶賛していました。13年越しの連覇です。

試合が終わると普通の女の子ですね。

7月28日 体操の橋本大輝が個人で金メダル

この日は体操の橋本大輝が個人で金メダルを獲得しました。他に大橋悠依が女子200m個人メドレーで金を取り日本競泳女子史上初の2冠を達成しました。男子サッカーはフランスに4-0で快勝です。石川佳純は準々決勝で敗れてしまいました。この日はあまり観れませんでした。

7月29日 錦織圭はジョコビッチに敗れてベスト4ならず

男子200m背泳ぎ準決勝は入江陵介がベスト8でギリギリ決勝に残りました。

テニス男子シングルはジョコビッチが錦織圭を2-6、0-6ストレートで破ってベスト4入りです。観ていましたが完勝といえるような内容でした。東京都のコロナの新規感染者は3865人と過去最高で、全国では初の1万人超えの新規感染者が出ました。明らかにオリンピックの影響なのに政府は無能です。オリンピックも興ざめです。

7月30日 瀬戸大也惜しくもメダルならず

男子200m個人メドレー決勝は瀬戸大也が0.05秒差で惜しくも4位となりメダルを逃しました。荻野は6位でした。トランポリンの森が予選落ち、ジョコビッチはズべレフに敗れました。フェンシング男子団体は金を取りました。開会式にカザフスタンの旗手を務めたFFのお姫様オリガ・ルイパコワは女子三段跳びで予選敗退しました。

8月1日 女子三段跳びジュリマール・ロハスが世界記録

今日は夜から陸上競技を観ていました。

女子三段跳びですが、ベネズエラのジュリマール・ロハスが世界記録となる15m67㎝を出して金メダルを獲得しました。他の選手を圧倒していましたが、この跳躍でさえまだベストのパフォーマンスではない感じがしました。

最後は男子100決勝でした。レース前に会場が暗くなって選手一人一人を紹介する派手な演出があり、観ている人を驚かせました。優勝はイタリアのラモントマルチェル・ジェイコブスでタイムは9.80秒でした。アジア新記録を出した中国の蘇炳添(スー・ビンティエン)は最後のびず、9.98秒で6位でした。

男子800メートルの準決勝で、米国のアイザイア・ジュエットがレース中に転倒し、後ろを走っていたボツワナのニジェル・アモスも巻き込まれ転倒するアクシデントがありました。それでも2人は並走して最後まで走り切り、レース後には抱擁していたシーンが感動的でした。ジョコビッチのラケット破壊とは天と地ほどの差がありますね。また男子高跳びはカタールのムタズエサ・バルシムとイタリアのジャンマルコ・タンベリが共に2m37㎝で二人が金メダルを取ることになりました。W金メダルは多分初だと思います。観ていて飽きさせませんね。

8月3日 ボクシング女子フェザー級で入江聖奈が金メダル

ボクシング女子フェザー級で入江聖奈がこの種目で日本で初の金メダルを獲得しました。判定勝ちでしたが上手く相手の顔面をとらえたパンチがありました。この日は他に体操の橋本大輝が鉄棒で金メダル、サッカー男子は準決勝でスペインに延長の末敗れました。

8月4日 韓国がトルコをフルセットの末破って準決勝進出

女子バレー準々決勝韓国対トルコはいい試合でした。フルセットで最後までどちらが勝つか分からない試合でしたが、最後はやはり韓国のカリスマ選手キム・ヨンギョン(金軟景)が決めました。

イ・ソヨンに声をかけるキム・ヨンギョンです。いいお姉さんですね。韓国の選手ながら日本でも人気があります。

マラソンスイミング女子10キロはブラジルのアナ・クニャが優勝でした。貴田裕美は13位でした。2時間も泳ぎ切るのですから過酷な競技ですね。それにしても東京湾の水は汚いですね。

8月6日 卓球男子団体は3位

卓球男子団体3位決定戦は日本が勝ち銅メダルを獲得しました。最後は水谷隼が有終の美を飾りました。女子団体は銀でしたし、今大会は卓球の活躍が目立ちました。空手男子形は喜友名諒(きゆなりょう)が金メダル、女子バスケは準決勝フランスに勝ちました。女子1500mは田中希実が3分59秒95で8位入賞。男子400mリレーはバトンミスでメダル獲得を逃しました。

近代五種の馬術で、ドイツのアニカ・シュロイが騎乗した馬セントボーイが指示に従わず、ジャンプを拒否し、シュロイ選手は叫び声を上げ涙を流しました。結果一時首位だったシュロイ選手は31位まで順位を下げました。そしてキム・レイズナー氏(48)は馬をたたいたとして資格を剥奪され、同大会から追放されました。それほど強く叩いてるようにも見えずこれは厳しいと思いました。馬術という競技はよくわかりませんが、馬が駄馬だったのか、選手が下手だったのか、この競技自体が欠陥なのかよく分かりませんでした。そもそも近代に馬術って必要なのかも疑問です。しかしこのシーンは馬の顔が面白く、泣いている騎手とは対照的で、今大会名シーンの一つだったと思います。

8月7日 野球優勝で金メダル

野球の決勝は日本がアメリカを2-0で下しました。よくまとまったチームだと思いました。今大会は特に甲斐の働きが目立っていたと思います。

稲葉監督の采配は見事だったと思います。

今大会MVPに選ばれた山田哲人です。韓国戦での走者一掃タイムリーは見事でした。

8月8日 閉会式

オリンピック最終日の目玉は何といっても男子マラソンです。ケニアのキプチョゲが2時間8分38秒で金メダルでした。大迫は前の集団(2~5位)の少し後方を走っていましたが、最後まで縮まらない差で6位入賞で終えました。

閉会式はPM8:00に国立競技場で行われました。

今回は女子マラソンの表彰式も閉会式に行われました。金はケニアのペレス・ジェプチルチル、銀はケニアのブリジット・コスゲイ、銅はアメリカのモリ―・セイデルでした。予定より1時間前にスタートする前例のないレースでした。

男子マラソンです。金はケニアのエリウド・キプチョゲ、銀はオランダのアブディ・ナゲーエ、銅はベルギーのバシル・アブディでした。106人中30人が脱落するという過酷なレースでした。閉会式で2回立て続けにケニアの国歌を流したのはインパクトがあり見事でした。女子バスケ決勝は90-75でアメリカが日本を破り優勝しました。バスケは男女共アメリカが強いですね。

今大会日本選手は過去最多の583人(男子306人、女子277人)が参加し、獲得メダルは金27個、銀14個、銅17個の計58個で史上最多記録でした。しかし国内感染者6日連続で1万人超、菅内閣支持率最低の28%と、競技の内容はともかくオリンピックの祭典としてはとても成功とは言い難いです。そんなオリンピックは静かに閉会しました。

オリンピックで考えさせられること

ベラルーシ代表選手の亡命

ベラルーシ代表のクリスツィナ・ツィマノウスカヤが、「帰国すれば投獄の恐れがある」と亡命を希望し、それを受け入れたポーランドへ向かうため、4日成田から出国しました。ツィマノウスカヤは、経験がない陸上1600メートルリレーへの出場をコーチらに一方的に決められたとSNSで批判したため、2日に予定していた女子200m予選も取り下げれら、帰国を命じられていました。しかしベラルーシはヨーロッパ最後の独裁者と言われるルカシェンコが26年に渡って統治しており、今大会は特にメダルの数が振るわず選手らを批判しているようです。

私はベラルーシの事情を知りませんでしたが、未だにこんな国家がヨーロッパにあるんですね。彼女の夫も既にベラルーシを出国し、ポーランドで合流するそうです。受け入れて貰える国があって良かったと思います。

トランスジェンダー選手は性転換後の性を認められるのか

ニュージーランドのローレル・ハバードは2日重量挙げ女子87キロ超級で出場し、スナッチを3回連続で失敗し記録無しとなりました。ガイドラインではテストステロンの濃度を下げれば出場できるようです。しかし成長期を男性として過ごしてきた人は、筋肉の量や肺活量が、普通の女性に比べて有利なのではないかと賛否両論です。

私はやはり神が定めた最初の性のみでの参加が公平だと思いますけど、トランスジェンダーの人の気持ちは分かりませんので何とも言えないところです。

選手村での連日の野外パーティー

夜の選手村は無法地帯で野外パーティーが連日続いているそうです。警察が出動する飲酒トラブルまで発生しました。マスコミでも入れないのをいいことにやりたい放題な模様です。

我々には緊急事態宣言を強いられている中、いくら選手と言えど、外国人に好き放題されるのは面白くないですね。

夜になると選手村のセキュリティゲートを通過して近くのコンビニやスーパーに出歩くようです。勿論プレイブック違反です。こういう選手には早く帰って貰いたいものです。

SNSを通した選手への誹謗中傷

SNSの普及した現代ではこれは常に問題になていますが、やはりオリンピックも例外ではありません。水谷と伊藤選手のペアは特に中国から誹謗中傷を受けているようですが、決勝で負けた腹いせなのは明らかです。SNSは顔を隠して言いたい放題言えるので、ある意味卑怯なツールですね。