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アメリカのTPP離脱について

 
2017.1.26

アメリカのトランプ大統領は23日、TPPから離脱する大統領令に署名しました。


このTPPとは正式名で環太平洋戦略的経済連携協定といい、英語ではTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreementと表記します。単にTrans-Pacific Partnershipとも言います。

そもそもTPPとはシンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランドの4か国の経済連携協定(EPA)として始まり、2005年7月に署名され2006年5月に発効となりました。

2009年にアメリカが参加表明したことことを受け、オーストラリア、ベトナム、ペルーの四カ国が加わり、2011年にはマレーシアも加わりました。

2013年にはアベノミクスを推し進める安倍首相が日本のTPP参加を表明しました。

加盟国間全ての関税の90%を撤廃、自由貿易協定の全ての主要な項目をカバーする包括的な協定となっています。

実質的には参加国の国内総生産の91%をアメリカと日本が占めるため、日米の自由貿易協定とも見て取れます。

TPPの参加のメリットとして、関税撤廃による日本製品の輸出の増加、貿易障壁の撤廃により大手製造企業にとって企業内貿易が効率化し、結果としてGDPが2700億円に増加すると見込んでいます。

一方デメリットとして海外の安価な商品が流入することにより、デフレを引き起こす可能性があります。また安い農作物が流入することにより、日本の農業に少なからぬ打撃を与えます。結果として食の安全も脅かされます。また雇用が340万人減り、食料自給率が40→13%に下がります。更に医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国の医療保険制度が機能しなくなる可能性もあります。


アメリカはアメリカで雇用を増やしたいゆえに、アメリカ国内の日本車の販売に制限を掛けアメリカ車を増やし、更に日本でのアメリカ車の販売を容易にする狙いが主で、このTPPより離脱の意向を示したわけですが、車には性能もありますし、何よりも消費者の意向もありますので、これがアメリカの労働者にとって良い結果になるのかどうかは疑問です。

またTPPを離脱したことで中国に対する牽制が弱くなった感もあります。

しかし先程のデメリットを踏まえTPPは日本にも大きなリスクがありましたので、日本にとってはこれで良かったような気もします。


これはドル/円の日足ですが、トランプが大統領に就任してから横ばい傾向になってしまいました。

今日26日にはメキシコとの国境沿いに壁を作る大統領令に署名をするし、どうやら移民を徹底的に排除する方針を強行するみたいですね。

日本は日本でTPP離脱を受け、通商交渉を統括する省庁横断組織を近く創設する予定みたいですが、無駄なことは税金の無駄使いにしかならないので、早々と見切りを付けた方が良さそうな気もします。
 

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